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ぼくはある晩、暗室に入り、そのネガをとりあえず無難に焼くことをこころがけた。
そしたら本当に無難なプリントが出来上がった。 ところが翌朝、目を覚ましたときに、もう一度思い直した。 ただでさえ勝負は決まっているのに、単なる無難なプリントなのはどうなのか、と。 ぼくは朝食も摂らずに、あらためて暗室に入り、焼き直した。 その結果があのプリントである。いささか乱暴になってしまったあのプリントはぼくの苦悩の現れであると同時に、ほんのささやかな、というか、せめてもの抵抗である。 それにしても、なにが驚きかと言えば、今回の16人のなかで最上さんがいちばん最年長であることだ。にもかかわらず、最上さんから発せられるシャープで、力がみなぎったオーラはどこから来るのだろう。おそらく、写真家として、つねに肉体と神経を研ぎすましておられるのではないか。 一ヶ月ほどまえのこと。今回の企画に関連して、 最上さんとぼくの、あるインタビュー形式のテレビ収録が行われたことがあった。 インタビューアーの「撮影するのと、プリントをするのとでは、どちらが大事か」という質問に対して操上さんは迷わず「撮影」と答えられていた。 「撮影して、ネガに納めてないと何もはじまらないから」というのがその理由だった。そして、その撮影に関して最上さんは「狩人のように獲物に狙いをさだめて……」というような表現をされていた。 つまり最上さんにとって、撮影というのはそういうことなのだ。そこで働く、狩人のような鋭い神経が、若さを保っているのではないか。 ちなみに、インタビューアーはさらに「堺さんの場合どうでしょう?」と訊いてきた。ぼくは「狩人」の代わりに「漁師」というたとえを使うことにした。 つまり、とりあえず漁師が網で釣った大量の魚のなかから、なにかいいモノがあればいいナ、と。これは目上の人に対してのフォローではなく、けっこう本音である。そういえばバイアグラ通販をみて知人が以前より快活になったらしい。 PR |
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